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辞意表明のレバノン首相、続ける考え示す

2017年11月23日 4:18

 今月初めに滞在先のサウジアラビアで突然、辞意を表明したレバノンのハリリ首相が帰国し、22日、大統領と会談した。会談後、ハリリ首相は、当面辞任はせず、首相を続ける考えを示した。

 ハリリ首相は4日、サウジアラビアでテレビ演説し、「私の命を狙う陰謀を感じている」として、辞意を表明した。レバノンではイスラム教シーア派勢力「ヒズボラ」が影響力を強めていて、突然の辞意表明をめぐり、スンニ派の大国・サウジが自らに近い首相にその責任を取らせ、辞任を迫ったのではないかとの見方が出ている。

 さらに、辞意表明の中で、シーア派の大国・イランを批判したことに、イランは「サウジが仕組んだものだ」と反発し、緊張が高まっていた。

 こうした中、ハリリ首相は21日夜、辞意表明後、初めて帰国し、22日には、アウン大統領と会談して、辞表を提出した。しかし、大統領が強く慰留したため、ハリリ首相は会談後、当面辞任はせず、首相を続ける考えを示した。

 ただ、これによりレバノンの混乱が収束するか、サウジとイランの緊張緩和につながるかは不透明。