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北朝鮮兵士“亡命” 映像公開の狙いは…

2017年11月22日 17:04

 今月13日に韓国と北朝鮮の軍事境界線にある板門店から亡命した北朝鮮の兵士が北朝鮮側から銃撃を受けた事件で、国連軍司令部は監視カメラの映像を公開し、北朝鮮に休戦協定違反があったと発表した。事件の映像を公開した狙いはどこにあるのだろうか?

 22日の映像公開には、北朝鮮の休戦協定違反を明確に示すとともに、韓国側の対応が適切だったことを強調する狙いがある。

 公開された映像は、複数のカメラの映像を7分ほどにまとめ、一部始終が分かるもの。熱を感知するカメラの映像では、韓国側の施設のそばで倒れていた兵士に、韓国軍の警備兵がほふく前進で近づいて移動させる様子が確認できる。

 韓国では、北朝鮮側が韓国側に向けて発砲したことに対し、韓国軍が応戦しなかったことを疑問視する報道があったが、国連軍司令部は会見で「現場で対応した指揮官らの行動を支持する」と述べ、対応が適切だったと強調した。

 また、兵士を治療する医師は、意識が回復した兵士の様子を明らかにした。兵士は24歳で、医師と好きな韓国の音楽について会話したり、テレビ映画で車の映像を見て、「自分も運転した」と話したりしたが、本格的な調査を受けるには1か月ほどかかるという。

 事件について北朝鮮は反応を出していないが、兵士本人からどんな動機が語られるのか注目される。