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“国産の魚”に脚光…ナゼ?飲食店にアプリも

2017年11月22日 19:11
“国産の魚”に脚光…ナゼ?飲食店にアプリも

 今、飲食店や小売店などで「国産の魚」を前面に打ち出すところが増えている。さらに、インターネットやスマホアプリで国産の魚を買うことができる新たなシステムも登場している。その背景と、消費者の反応は…?

■大手回転寿司店も「国産」に注目

 大手回転寿司店「スシロー」は、先週から、日本各地でとれた天然のネタを使ったお寿司の販売を開始した。

 北海道産の生甘えび(180円・税抜き)や、和歌山県産の生まぐろ(180円・税抜き)、そして長崎県産の剣先いか(180円・税抜き)に、お客さんからは「ん~最高!」「きょうのはおいしい」の声。

 これまでネタの8割が輸入ものだったが、“うまい寿司”を追求するため、国産の天然ものの販売に力を入れ始めたという。

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 仕入れにも鮮度を保つ工夫が。実は、水揚げ後に空輸して、市場を経由せず届けられている。早ければ水揚げした翌日には新鮮なネタが届くという。(※店舗による)

 このため、北海道で水揚げされた甘えびも、店で殻むきして、生のままの提供が可能になった。

 冷凍の輸入甘エビが100円(税抜き)で、生の国産は180円(税抜き)と、比べると生の国産の方が80円高いが、身がふっくらとしていることがわかる。気になるお味は、「身がぷりっとしていて、口いっぱいにエビの甘さが広がります」。

 今後は、お客さんの反応や売れ行きを見ながら国産魚の仕入れ強化を検討するという。

■珍しい国産魚も!

 珍しい国産魚を売りにした鮮魚店もある。

 東京・目黒区の鮮魚店「サカナバッカ」では、色とりどりの見たこともないような魚がずらりと並んでいる。オレンジ色の水玉模様が鮮やかな山口県産・キジハタ(2600円・税抜き)に、2本のひげがついていることから“おじさん”と呼ばれている東京でとれたヒメジ(1380円・税抜き)に、大きな口が特徴の高知県産のエビスダイ(7800円・税抜き)も。

 サカナバッカ・岡部拓也店長「(日本には)全然利用されていない魚がたくさんあるので、いろんな人に知ってもらいたい」

 丸ごと販売されている珍しい魚に、「エンターテインメント的なところがあって、選ぶ楽しさがあるなと思います」とお客さんも興味津々だ。

■鮮魚店で魚の料理教室も

 鮮魚店では、魚の料理教室「お魚さばき教室(1人7000円)」も開催している。この日は、金目鯛の煮付け作り。面倒で敬遠されがちな魚の三枚おろしを学んでもらうことで魚の消費を促す狙いがあるという。

 初めて金目鯛をおろす参加者もいて、失敗もあったようだが、5分ほど煮れば金目鯛の煮付けの完成。そのお味は…?

 初めて金目鯛をおろす参加者(30代)「ん~、やわらかいです。(魚を)丸ごと買ってみたいなと思いました」

■消費者向けのアプリも!

 消費者が、全国の漁師から直接買い付けできるアプリ「ポケットマルシェ」も新たに登場した。

 北海道の漁師がこの日とったのは、今の時期、こんぶを食べて身ぶりがいいというアワビ。さらに冬には巨大に成長するミズダコも。アプリでは、2キロほどのものを出品するという。

 陸に戻ると、さっそくとれたてのアワビをスマホで撮影。漁師が設定した売値などを入力すれば、出品完了。今回は、アワビ500グラムで、4500円(※7個~10個)。消費者には、最短で2日後に届くという。

 アプリに出品した漁師・高野粋さん「市場に出回るものの値段より安くおいしく食べてもらえたらなと」