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ASEAN声明、北に懸念も、南シナ海配慮

2017年11月17日 18:19

 フィリピンで行われたASEAN(=東南アジア諸国連合)首脳会議の議長声明が16日、発表された。声明では、北朝鮮に重大な懸念を示す一方で、中国が海洋進出を続ける南シナ海問題でこれまで使われていた「懸念」という表現がなくなり、中国に配慮する形になった。

 声明では、核・ミサイル開発を続ける北朝鮮に対し、「重大な懸念」を示し、国連の安保理決議を順守するよう強く求めるなど厳しい姿勢を見せた。

 一方、中国が海洋進出を続ける南シナ海問題に対しては、過去の声明で使われていた「懸念」という表現がなくなった。南シナ海問題を巡っては、中国が、対立していたフィリピンやベトナムと相次いで関係改善を図っていて、東南アジアで影響力が増す中国に配慮した形。

 また、日米などが参加した東アジアサミットは化学兵器の使用禁止などに関する声明を発表し、猛毒のVXが使用された北朝鮮の金正男氏殺害事件を念頭に、「いかなる状況でも化学兵器の使用は非難されるべき」などと訴えた。