どう見る?安倍首相の所信表明演説【解説】
安倍首相は17日、衆参両院の本会議で所信表明演説を行った。日本テレビ政治部・青山和弘記者が解説する。
Q:演説はどういった内容だったのか?
安倍首相は、自らが「国難」と位置づけている北朝鮮や少子高齢化への対応に重点を置いた。
安倍首相「緊迫する北朝鮮情勢、急速に進む少子高齢化。今、我が国は、正に国難とも呼ぶべき課題に直面しています。北朝鮮にその政策を変更させなければならない。そのために国際社会と共に、北朝鮮への圧力を一層強化してまいります」
一方で、今回目立ったのは演説の短さと内容があっさりしていたこと。平成に入って41回行われた所信表明のうち、2番目の短さだった。
また内容だが、今は衆議院選挙での大勝を受けて安倍首相が今後、憲法改正にどう道筋をつけるのかが焦点だが、次のように述べるにとどまった。
安倍首相「(与野党が)共に知恵を出し合いながら、共に困難な課題に答えを出していく。そうした努力の中で憲法改正の議論も前に進むことができる。そう確信しています」
今年1月の施政方針演説で「ただ批判に明け暮れたり、プラカードを掲げても何も生まれない」などと野党側を挑発したのとは、だいぶ様相が違う。
Q:どうしてこのような演説になったのか?
本格的な与野党の論戦は、年明けの通常国会からだとの考えが透けて見える。野党側は一斉に反発している。
立憲民主党・枝野代表「こういう覇気のない状況というのは、ちょっと心配をしています」
無所属の会・岡田代表「かなり、あっさりとしたものでしたね。びっくりしました」
共産党・志位委員長「国会でのまともな議論をしようという姿勢がない」
2か月後の通常国会で、施政方針演説が控えているのは確かだが、週明けからの論戦では、真摯(しんし)に丁寧に説明する姿勢が求められるのは当然のことだ。