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東アジアサミット始まる 北朝鮮非難へ

2017年11月14日 17:17

 ASEAN(=東南アジア諸国連合)や、日本、アメリカ、中国などの首脳らが一堂に会する、東アジアサミットがフィリピンで始まった。猛毒のVXが使われた金正男氏殺害事件を念頭に、北朝鮮を非難する声明が採択される見通し。

 会議の始まりが大幅に遅れたため、アメリカのトランプ大統領は出席できず、ティラーソン国務長官がかわりに出席した。ここでも北朝鮮問題が主な議題となっている。

 声明案ではマレーシアの空港でVXが使われた北朝鮮・金正恩委員長の兄・金正男氏殺害事件に触れ、「公共の安全に多大な危険を及ぼした」と北朝鮮を非難し、化学兵器の使用禁止などを訴えている。また、北朝鮮が大量破壊兵器を開発しているとし、核・ミサイル開発の完全廃棄を求める声明も採択される見通し。

 一方、中国が海洋進出を続ける南シナ海問題も議論されるが、こちらは中国に配慮する形になりそうだ。中国は対立していたフィリピンなどと関係改善を図り、ASEAN諸国からの非難はトーンダウンしているほか、これまで南シナ海問題で厳しい構えをみせてきたアメリカも北朝鮮問題で協力が不可欠な中国に強い姿勢を示せるかは不透明。

 声明では中国への非難は盛り込まれない見込みで、南シナ海で中国の存在感がさらに強まる懸念がある。