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転落や窒息…乳児のベッド事故どう防ぐ?

2017年11月13日 18:42
転落や窒息…乳児のベッド事故どう防ぐ?

 消費者庁は、0歳から1歳までの赤ちゃんが、大人用のベッドから転落する事故が多いと発表した。なぜ事故が起きるのか?どう防げばいいのだろうか?


■生後5か月の“寝返り時期”に注意

 消費者庁によると、今年6月までの約6年半の間に、0歳から1歳の赤ちゃんが、大人用のベッドから転落する事故が、564件報告されている。子どもの事故の予防に詳しい専門家は―

 「乳児は5か月前後になると寝返りを打てるようになりますが、寝返りが打てるようになると、ベッドの端まで行ってしまって落ちるということはあります」(国立看護大学校 来生奈巳子教授)

 また、大人用のベッドでの事故が増えている背景については―

 「最近の家庭は和室がなかったり、手狭になってベビーベッドを置くスペースがないという事情から、大人用ベッドに赤ちゃんを寝かせる機会が増えたんじゃないかと思います」


■落下防ぐベッドガードで“窒息死”も

 そこで、利用されているのがベッドガードという商品。大人用ベッドにベッドガードを付けることで、赤ちゃんの落下を防ぐことができるという。

 ところが、転落ではなく、ベッドガードとマットの間に赤ちゃんが挟まって窒息する事故が発生している。今年9月には東京都内で6か月の赤ちゃんが窒息死している。この事態に生活用品の安全認証を行う協会は―

 「これまで18か月未満の子どもには使ってはいけないとだけ書いていたんですけど、18か月未満のお子さんが使うと窒息する恐れがあるということで、来年1月から改正した基準で運用していく予定です」(製品安全協会 東郷洋一専務理事)


■基本は床やベビーベッドに

 ただ来生氏は―

 「私たち医療者は柵のない高いところに赤ちゃんを寝かせるのはあり得ないと考えている。まずは床に布団、あるいは柵のあるベビーベッドに寝かせるということが一番いいと思います」

 万が一、子どもが転落した場合は、「出血はないか」「大きなコブはないか」「顔色は悪くないか」「おう吐をしていないか」を確認し、異常を感じた場合は、すぐに小児科や救急外来を受診する。