安倍首相の友人が理事長を務める加計学園の獣医学部の新設を認めると、１０日、文部科学省の審議会が林文科相に答申した。

　加計学園の獣医学部を認可するとの答申を受けて、林文科相は「申請された計画が法令に適合されたと認識している。答申決定を尊重し、速やかに判断を行いたい」と述べた。来週、正式に認可する見通し。

　非公開で審議が続いていた大学設置審議会では、学園の計画に対し、教員の年齢が「高齢層に偏り」があるなど厳しい意見もついた。教員の４人に一人は、学生が卒業する前に定年の６５歳を迎える実態も明らかになった。ただ、本当に既存の大学にはできない教育内容かなどは審議会のチェック対象ではなく、最後は全会一致で認可の方針が決定。委員の一人は「審議会でできることに限界がある」と苦しい判断だったことをにじませている。

　一方、前川・前文科事務次官は、「国家戦略特区諮問会議で改めて審査し直すべき」と主張する。

　前川・前文科事務次官「きちんと説明しないまま設置認可に持って行くのは国民を裏切ることに他ならない」

　プロセスの透明性が問われるこの問題。国民が納得できる説明が必要。