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日米首脳“ゴルフ会談”その狙いと成果は?

2017年11月5日 19:08
日米首脳“ゴルフ会談”その狙いと成果は?

 アメリカのトランプ大統領は5日午前、日本に到着し、その後、埼玉県のゴルフ場で、安倍首相らとゴルフを楽しんだ。政治部の青山和弘記者官邸キャップが、ゴルフ会談の様子などを伝える。

 ゴルフ場のトランプ大統領は、ひとことでいうと「上機嫌」だった。関係者によると、トランプ大統領は、バンカーショットを決めた安倍首相に対して「この人は本当に日本の首相なのか」と、ジョークを飛ばすほどだったという。

 また5日は天気が良くて、防寒用の下着を着ていった安倍首相はかなり暑かったそうだが、ゴルフの調子は悪くなくて、周辺には「面目は保てた」と話している。

 今回、一緒だった松山英樹選手は終始緊張した様子で、プレー中も「今も緊張しています」と話していた。ただ、世界4位の実力は当たり前だが圧巻で、安倍首相は周辺に「ティーショットは飛びすぎて、打つとボールが消えた」「林の中から、グリーンにのせるリカバリーショットは神がかっていた」とやや興奮気味に話していたという。

 そんな中、両首脳は合間を縫って北朝鮮への今後の対応についても意見交換したということで、トランプ大統領は「北朝鮮問題は解決するまでやる」と改めて意気込みを語っていたという。

 今回のゴルフについては、政府内には「北朝鮮情勢が緊迫する中、遊んでいるようにみられる」などと、慎重論もあった。しかし、安倍首相はゴルフの後、周辺に「トランプ大統領と信頼関係を深めることができた。ゴルフ外交はひとまず成功だった」と、ほっとした表情を見せたという。

 今回の日米首脳会談は、何といっても北朝鮮への対応が焦点。現在トランプ政権は、今年9月の、国連の制裁決議の効果を見極めている段階だが、北朝鮮が核ミサイル開発を放棄する見通しが立たない中で、いつ次のアクションに移るのか。

 まずはさらなる圧力をということだが、政府内には、トランプ大統領が早期の武力行使に踏み切る可能性は否定できないという声もある。

 その際、どのように日本への被害を防ぐのか。韓国にいる日本人の避難をどうするのかなど、万が一のために詰めておかなければいけない課題は山ほどある。

 トランプ大統領との蜜月関係は目的ではない。蜜月関係を利用して、いかに日本の国益を守れるかに安倍首相の真価が問われることになる。