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トランプ氏来日“ゴルフ外交”決定の背景は

2017年11月3日 17:30
トランプ氏来日“ゴルフ外交”決定の背景は

 アメリカのトランプ大統領が5日から来日する。さらに、トランプ大統領の長女・イバンカ氏も、2日から日本を訪れている。今回の来日について、政治部・青山和弘記者が解説する。

――安倍首相はトランプ大統領とゴルフをするということだが、これはすんなりと決まったのか?

 簡単ではなかった。警備の問題もあったが、最大のネックは北朝鮮がいつまた弾道ミサイルの発射するのか分からないこの時期に両首脳がゴルフに興じることがどう見えるかということだった。政府内にも慎重論があったが、逆に北朝鮮情勢が緊迫しているからこそ意味が大きいと判断したようだ。

 安倍首相は周辺に、「この時期、アメリカ大統領と良好な関係を保つことは日本にとって非常に重要だ」と語っている。ただ、松山英樹さんとは2月のフロリダ・ゴルフの後、そう間を置かずに交渉を始めていたようだ。

――焦点は北朝鮮情勢ということになるが

 もちろんそうだ。北朝鮮に核ミサイル開発を放棄させるために、今後どういう手を繰り出すのか。まず日米で腹を合わせて、この後、トランプ大統領が訪問する韓国や中国に対してしっかり働きかけてもらうというシナリオだ。官邸関係者は、「アメリカが武力行使に踏み切ることは今の段階では考えられない」と話しているが、今のうちから日本の立場をきちんと伝えておくことも極めて重要だ。

――3日夜は、安倍首相はイバンカさんと夕食をとるということだが、相当な厚遇では

 そう言えるが、ただ、首相周辺はイバンカさんについて「細かい政策の話をする相手ではない」として、政策決定に関わるタイプではないとみているようだ。しかし、イバンカさんはトランプ大統領と自由に話ができる数少ない一人だから、やはり味方につけておきたいという思惑がある。安倍・トランプ蜜月関係の今後を占う意味では、3日夜の会食も注目だ。