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実業家で3児の母…イバンカさんてどんな人

2017年11月2日 20:28

 アメリカのトランプ大統領の選挙戦を支えた子どもたち。中でも大統領が最も信頼している長女・イバンカさんが2日、来日。3人の子を持つ母でありながら大統領補佐官として働くイバンカさん。どのような人物なのか-。

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■元モデル、起業家で3児の母

 トランプ大統領はメラニア夫人との間にバロン君(11)がいるが、イバンカさんはトランプ大統領と最初の奥さんとの間に生まれた長女で36歳。

 現在はトランプ政権で大統領補佐官を務めているが、実は元モデルで、自分で起業し、自分の名前がついたファッションブランドも持っている。

 バリバリのキャリアウーマンだが、3児の母でもある。ピコ太郎さんのPPAPをイバンカさんの長女、アラベラ・ローズちゃん(6)が歌う姿も話題になった。そのほかにも4歳と1歳の男の子がいる。

 3人の育児をしながらホワイトハウスで働くという両立をしている。その秘けつについて、イバンカさんは以前こんな風に話していた。

 イバンカさん「自分がそのときにしていることに集中し、楽しむこと。今の大統領補佐官の仕事でも、家にいるときでもです。子どもと一緒にいるときはその時間に集中します」

 イバンカさんは子どもとの時間をつくるため、出張から帰った後は仕事を入れないようにすると話していて、家族を大事にしている。

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■“お気に入り”が批判招いたことも

 トランプ大統領は5人の子どもがいるが、その中でもイバンカさんが“一番のお気に入り”で、最も信頼を寄せる人物。ただ、やり過ぎてしまったこともあった。

 今年7月に開かれたG20の首脳会議では、本来トランプ大統領が座るはずのアメリカ代表の席にイバンカさんが一時座り、「公私混同だ」と批判された。これは彼女にとって痛手だったようで、その後は、あくまで補佐官としてなるべく目立たないようにしているという。

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■滞在期間が短縮…なぜ?

 3日は政府主催の国際女性会議で講演したあと、夜には安倍首相夫妻との会食が予定されている。日本政府としてはイバンカさんをしっかりとおもてなししようと当初は歌舞伎鑑賞や明治神宮へ行くことも検討されていた。だが滞在期間が予定よりも短縮されて歌舞伎鑑賞などは取りやめになり、4日には帰国することになった。

 なぜ滞在期間が短くなったのか。政府関係者は、4日がユダヤ教の安息日だということもあると話している。イバンカさんはユダヤ教徒で、ユダヤ教の安息日は働いてはいけないとされている。そのため、歌舞伎鑑賞などの外交日程も入れづらかったという一面があるようだ。

 またアメリカのメディアは別の理由としてイバンカさんが、週末にアメリカでイベントを開くことになったと伝えている。日本のあと中国や韓国で予定していた会議もキャンセルしたという。しかし本音のところでは、「トランプ政権をめぐるロシア疑惑の捜査」が急展開したからなのでは、と指摘する声も出ている。

 一連の捜査では先月、トランプ陣営のトップを務めた大物が起訴されていて、アメリカのメディアでも色めき立っている。トランプ政権の支持率はずるずると落ち込んでいる。

 こんなタイミングの来日なので、明治大学政治経済学部の海野素央教授は「弁護士と対策を練るために、最も信頼しているイバンカ氏を早くワシントンに戻したかったのではないか」と話している。

 ロシア疑惑をめぐってはイバンカさんの夫のクシュナー氏の関与もとりざたされていて、イバンカさんとしてもそれどころじゃない状況なのかもしれない。とはいえトランプ政権のキーパーソン、日本政府には実りある外交をしてほしい。