先月の中国共産党大会に合わせて、祝電を送っていた北朝鮮の金正恩委員長宛てに、再選された習近平国家主席から返信が寄せられたことを北朝鮮メディアが伝えた。

　２日朝の朝鮮労働党の機関紙・労働新聞には、習主席から金委員長宛てに、祝電に対する謝意を表した返信の全文が掲載された。

　習主席は、両国の関係について、「新たな情勢の下でともに努力し、地域の平和と安定、共同の繁栄を守るのに、積極的に寄与することになるよう望む」としていて、核・ミサイル開発を続ける北朝鮮に自制を促す狙いもあるとみられる。

　一方、北朝鮮メディアは、５年前に行われた前回の中国共産党大会の際には、中国側からの返信について伝えていなかった。

　北朝鮮としては今回、中国側からの返信を公開し、冷え込みが指摘される両国の間に一定の関係が維持されているとアピールすることで、関係修復のきっかけを探っている可能性がある。