ウニにノドグロ…食材特化で注目の専門店
サバやエビなど一つの食材にこだわった「専門店」が注目されている。サンマなど身近な食材の価格が上昇する中、店側は専門店の強みを生かした素材と価格、さらにはユニークな「演出」も取り入れ客にアピールしている。
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■食材特化の専門店で食べ比べ
東京駅にあるウニの専門店「うに屋のあまごころ」。看板メニューの「想い出のうにオムライス」(税抜き1380円)には、たっぷりかかったソースはもちろん、中のご飯にもウニが入っている。
「うに屋のうに丼」にのせるウニはチリ産、その他の海外産、国内産のウニから予算に合わせて選ぶことができ、それぞれの産地の味を食べ比べることもできる。
うに屋のあまごころ・阿部雄己副店長「ウニの産地によって大きさですとか、味が全然違ってくるので、ここでしか楽しめないもの味わえないものがたくさんある」
■秋の味覚サバを安定価格で
一つの食材に特化して仕入れる専門店。都内のサバ料理の専門店では…。
SABAR鯖街道銀座店・宮嵜研二さん「サンマが獲れないとかいう話を聞いてると、僕らも危機感を感じる部分ではあります」
サンマやサケなど秋の魚の価格が例年より高くなっている中、サバも収穫量が減っていることからここ5年間、取引価格が上昇している。
こちらのお店では安定した価格と品質でサバを提供できるよう、ある工夫をしていた。
SABAR鯖街道銀座店・宮嵜研二さん「冷凍保存で年間通してお客様に供給できるように管理してます」
一番脂ののっている11月から2月に獲れたサバを1年分急速冷凍し保存することで、いつでも旬のおいしさを楽しめるという。
■専門店ならではの演出も
都内のエビ料理のお店「YAESU海老バル」では、お客さんが水槽から自分が食べるオマールエビを選んでつかみ取りができる。この新鮮なオマールエビを丸ごと一匹、好みのソースをかけたグリルで、またはパスタと共にいただく。
年々仕入れ値が上がっているというオマールエビ。オマールエビのグリルは1グラム7円。500グラムで3500円(税抜き)。この価格で提供できる理由とは、大量に仕入れる専門店の強みだという。
YAESU海老バル・竹下弘晃店長「商品をとる(仕入れる)量は他の普通のイタリアンのお店と比べると3倍、4倍、5倍ぐらいになると思うので、お客様にご提供しやすい価格で仕入れられるようにはさせていただいている」
■高級魚の専門店も登場
赤く、光沢のある「ノドグロ」の専門店も登場。「銀座中俣」で扱うノドグロは特大サイズだという。1匹500グラム以上の脂がのりきったノドグロを使ったコース料理「『匠』のどぐろコース」(1人前8500円、2名~)は、薄切りと厚切り、2つの食感が味わえる刺身に塩焼き、そしてノドグロのあらでだしを取ったしゃぶしゃぶなど盛りだくさん。高級魚のうま味を余すところなくいただくことができる。
銀座中俣・渡邊裕一店長「特にうちは(メーン料理を)ノドグロ一本で突き進んでいますので、その分ノドグロに最大限力を注げるので、お客様に品質のよい物を提供できていると」
おいしい魚介を専門店で味わうのも一つの選択肢かもしれない。