×

イラク・クルド自治政府トップが退任の意向

2017年10月30日 10:12

 独立賛成が多数を占めたイラク北部・クルド人自治区の住民投票をめぐって混乱が続いている問題で、自治政府のトップが29日、退任する意向を示した。混乱の責任を取った形。

 クルドメディアなどによると、自治政府トップのバルザニ議長は29日、テレビ演説を行い、任期が切れる来月1日で議長を退く意向を示した。

 クルド自治区では、先月の住民投票で独立賛成が9割を超えたが、イラク軍の報復によって、自治政府が実効支配地域を失うなどしたため、バルザニ議長の責任を問う声が上がっていた。

 バルザニ議長は住民投票の意義を改めて強調する一方で、「誰も味方がいなかった」と述べて、国際社会の支持が得られなかったことに悔しさをにじませた。

 これに先立ち、バルザニ議長は自治区の議会に退任の意向を伝える書簡を送り、承認された。ただ、議会には支持者らが多数詰めかけ、小競り合いとなるなど、混乱も起きた。