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名所で何が?浅草寺VS仲見世 家賃騒動

2017年10月27日 20:18
名所で何が?浅草寺VS仲見世 家賃騒動

 東京屈指の観光名所・浅草の浅草寺で、ある騒動が起きている。浅草寺側が先月、参道に並ぶ「仲見世商店街」に対し家賃の大幅引き上げを提示し、商店街には不安が広がっている。


■提示された家賃は今の「16倍」

 年間約3000万人もの観光客が訪れる東京浅草の浅草寺。寺までの参道にあたる「仲見世商店街」も活気にあふれている。江戸時代に始まり、日本で最も古い商店街ともいわれる仲見世商店街。雷門から浅草寺まで、250メートルもの間に89店舗が軒を連ねている。この仲見世商店街の家賃は、仲見世商店街によると、これまで10平方メートル当たり平均1万5000円だった。しかし先月、浅草寺側からその約16倍に当たりる月25万円もの家賃を提示されたという。商店街側からは、「想像以上の金額だった。経営がたち行かなくなる店も出てくる」などと不安の声が広がっている。


■浅草寺が東京都から建物を買い取り

 なぜ今、家賃の値上げが持ち上がったのか。実はこれまで、仲見世商店街の土地は浅草寺が所有する一方、建物は東京都のものだった。そのため、商店街は家賃を東京都に支払っていた。しかし今年7月、浅草寺が東京都から建物を買い取り、それを機に家賃の見直しが浮上してきたという。


■家賃16倍は「妥当」。でも…

 仲見世通り商店街が提示されたという10平方メートル当たり25万円という家賃は妥当なのか。専門家は、25万円は妥当だとしたうえで、経営を続けるのは厳しい店も多いと指摘した。

 不動産鑑定士・西原崇さん「同じ台東区でも上野のアメ横では10平方メートル当たり25万とか30万位の物件はあるので、それとの比較で言えば妥当ではないかなと思います」

 仲見世商店街の近くで土産物店を営む人は――

 「25万円だと自分が経営するお土産店では採算がとれない。ただ業種によってはその値段で入りたいお店もあると思う」


■店撤退で「景観失われる」

 一方、商店街側は、「撤退する店が出ると自分たちが守り続けてきた景観が失われてしまう」としている。

 観光客は――

 埼玉県からの観光客「大手のチェーンが入ってくると、今までの雰囲気とは違ってきてどこにでもあるような風景になってしまう」

 ブラジルから来た観光客「雰囲気を壊してはダメだよ。美しいんだから」


     ◇

 浅草寺側は、今回は相場を提示しただけであって、具体的な金額について今後、商店街側と協議していくとしている。