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どうやって早帰り? 見直し進む「プレ金」

2017年10月27日 18:46
どうやって早帰り? 見直し進む「プレ金」

 今年2月にスタートしたプレミアムフライデーが9回目を迎えた。月末の金曜日には早めに仕事を切り上げて、家族と過ごしたり趣味を楽しんだりと、生活をより豊かにしようという政策。消費の拡大や働き方改革につなげようという政府や経済界肝いりの政策だが、なかなかうまくいっていない。そこで国と経団連は先週、プレミアムフライデーの「見直しの方向性」を示した。


■「見直しの方向性」中身は?

 まず、早帰りを企業が実施する日程については、「月末の金曜日にはこだわらない」とする方針を初めて示した。一方で、消費の拡大を促すデパートや飲食店などのイベントは、従来通り月末の金曜日に行うという内容だった。イベントと早帰りの日を合わなくなるが、イベントは給料日後の方が良いという事情がある。

 プレミアムフライデーに合わせ、販売プロモーションを実施した企業のうち、「来店者が増えた」と答えたのは約7割。「売り上げが増えた」と答えたのは5割以上で、消費の拡大にはつながっているようだ。仕事を早く切り上げることが消費につながっているとすれば、それらを切り離すことの影響も懸念される。

 一方で、早帰りについては、「月末は忙しいので月初めにしてほしい」という声が多くの企業からあがっている。

 東京・新宿にオフィスを構える会社を取材した。従業員約1000人の「日本テクノ」では、「毎月最終金曜日は午後1時の退社」を従業員に呼びかけてきた。実際に月末金曜日に半休を取得した人をみてみると、2月はプレミアムフライデーが始まったばかりということもあり、社員約1000人中704人と7割ほどが早く帰れた。ところが、それ以降は100人前後と1割ほどにとどまっている。

 日本テクノ広報室・中山大志郎室長「(営業成績など)数字が少しでも足りなければ休みづらいというのはある。実情として追いついていない部分があるのはたしかです」


■より多くの人が早く帰れるには?

 ポイントは、「有給休暇」の取得の義務化にあるかもしれない。2016年に旅行会社が行った調査では、与えられた有給の日数に対し、消化できた日数の割合が、日本は28の国と地域の中で最下位だった。

 そこで政府は、働き方改革の一環として、従業員に「年に5日は有給を取得させることを企業に義務づける」法案を提出する予定だ。この法案が通ると、休みがとりやすい環境が生まれ、プレミアムフライデーの有効活用にもつながるかもしれない。