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激安か高級か…総菜・弁当の二極化 ナゼ?

2017年10月25日 18:45

 激安を売りにする店、高級を売りにする店。総菜やお弁当で今、価格の二極化が進んでいる。ファストフードチェーンにも広がる価格の二極化。その背景を取材した。

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 次から次へと揚げられるコロッケ。ジャガイモがたっぷり入ってアツアツだが、その値段が驚きだった!揚げたてコロッケ5個入りがわずか50円(税抜き)。1個10円という破格の値段だ。フライやトンカツも1つ10円。狭い店内はお客さんで満員御礼だ。

 20代会社員「メンチカツとトンカツとか(買った)。7パックで75円ですね」

 30代会社員「10円は怖いぐらい安いです」

 東京・江東区にある総菜店「キッチンDIVE」は激安がウリ。さらにお弁当も――

 お客さん「200円弁当から始まったんですよ」

 20代大学生「けっこう安いし量も多くておいしいんで」

 トンカツ弁当、ハンバーグ弁当など約5種類のお弁当が200円(税抜き)。毎日約200個作り、ほぼ完売しているという。

■200円弁当の戦略とは?

 他にも、総重量1キロオーバーにもかかわらず555円(税抜き)のお弁当も。2つ購入したご家族は「みんなで4人で食べようかなと。安いの魅力ですね」

 家族4人で食べると1人あたり約280円。一体なぜこのような低価格で販売しているのだろうか?

 キッチンDIVE・宗石慶太さん「200円弁当でご来店のきっかけになっていただいて、それから1キロ弁当を買っていただく方が多い」

 200円弁当などでお客さんの購買意欲をかき立て、利益が出やすい1キロ弁当を買ってもらおうという計算された戦略だったのだ。

■1日約600個売れる「高級のり弁」

 一方、食の激戦区、築地に今月オープンしたばかりの総菜店「刷毛じょうゆ 海苔弁 山登り」。スタイリッシュな厨房(ちゅうぼう)のこの店で売れている商品が「のり弁“海”」(1080円・税込み)。

 安くて手頃なイメージののり弁がここでは1080円。のりの一大産地、有明海の初摘み高級のりの上に、箱からはみ出さんばかりの巨大なサケ。「家庭料理の最上級」をコンセプトに手作りにこだわったこのお弁当は2店舗で1日600個近くも売れているという。

 お客さん「のり弁なんですけど、のりもおいしいし、高いので毎日は買わないと思うけど、時々買いたいなと」

 1080円弁当は、早朝からスタッフ総出で、丹精込めて作っているという。

 刷毛じょうゆ 海苔弁 山登り・我妻義一事業部長「(こだわりは)丁寧に手仕事で料理をさせていただいているというところです。価格は高くなってしまっているんですけど、おいしい物を作ればお客さまに支持いただけるんじゃないか」

 他にも、鶏の照り焼きやレンコンが主役のこだわったのり弁、「山」や「畑」を展開(各1080円・税込み)。今後もこれで客足を伸ばしたいという。

■すき家の新たな「総菜」

 そして牛丼チェーン店「すき家」も先週18日(水)から新たな総菜を展開。それはさむーい季節に食べたいアツアツの「おでん」。具材は大根、さつま揚げ、こんにゃくなどの定番の5品。コンビニより安いを目指したというお値段は250円(税込み)。

 お客さんの20代会社員「おだしが効いていて、味めちゃくちゃしみてます」

 気になるのは、おでんのサイズ。大手コンビニのおでん(485円)と大きさを比較してみると少し小さめだ。

 ゼンショーホールディングス広報室・青山きぬさん「牛丼と合わせてお手軽な価格で召し上がっていただくためにこの値段に設定しました」

 おでんで新規顧客を開拓することが狙いで、来年1月まで販売する予定。