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安倍首相ナゼ低姿勢?野党の今後の動きは?

2017年10月25日 15:29
安倍首相ナゼ低姿勢?野党の今後の動きは?

 第48回衆議院選挙を日本テレビ・小栗泉政治部長が振り返る。結果的に大勝となった自民党、野党第一党へと躍進した立憲民主党、そして、失速・苦戦した希望の党…各党の今後の動きは?


――安倍総裁率いる自民党の1強となった。この結果をどう見るか?

 小栗政治部長「結果的には自民党の大勝だが、じゃあ、投票した有権者が、望んでいたような結果になったかというと、どうもそうではないようだ。日本テレビと読売新聞が、23~24日の2日間、全国の有権者を対象に今回の選挙結果について聞いたところ、『野党がもっと議席を取った方が良かった』と答えた人が5割近くを占めた。自分たちが投票した結果とはいえ、納得感の少ない、なんとも不思議な選挙だったと言えそうだが、この矛盾を安倍首相も感じているようで、ここまでのところ謙虚な姿勢を貫いている」

 各党の今後の動きはどうなるのか。与野党のキャップが解説する。


■“自公で313議席”自民党 (解説:与党キャップ・富田記者)

 ・安倍首相の政権基盤は強化されることになる。安倍首相は選挙後の会見で、「自民党が同じ総裁の下で、3回続けて衆院選を勝利したのは、結党以来初めてだ」と自信をにじませた。

 ・安倍首相は今後この実績をひっさげて、来年9月に行われる自民党総裁選で、再選を目指すことになる。党内では二階幹事長がさっそく安倍首相の再選を支持するなど、今のところ、安倍首相の優位は揺らいでないように見える。

 ・ただ、石破元幹事長が「総裁選で選択肢を示すことができるよう一層努力したい」と改めて総裁選挙への意欲を示している。こうしたポスト安倍を目指す動きも続きそうだ。


■“野党第一党”立憲民主党 (解説:野党キャップ・清田記者)

 ・枝野代表は、「どこかのグループと合従連衡するつもりは全くない」と語り、勢力拡大のための野党再編には否定的。これは選挙直後の合従連衡は国民の支持を得られないと判断しているからで、他の野党勢力との合流ではなく、立憲民主党独自に党勢の拡大を目指している。

 ・一方、立憲民主党との連携に前向きな“民進党に残った参議院議員”も当面は固まって動く見通し。ある参議院幹部は「すぐに立憲民主党に合流すると民進党の資金や組織が、合流しなかった議員のものになってしまうから」と背景を説明している。


■“失速・苦戦した”希望の党 (解説:野党キャップ・清田記者)

 ・希望の党は、小池代表側近の若狭勝前議員が落選するなど、7議席減らした50議席と苦しい戦いとなった。

 ・小池代表は「党を立ち上げた責任もあるし、そのまま代表を退くのはかえって無責任だ」と話し、代表を続ける意向を示している。

 ・しかし選挙結果を受けて、結党メンバーの一人は「小池代表への怒りが充満している」「希望の党は小池代表の私党、私の党ではなくなる」と語っている。

 ・希望の党の当選者は、民進党の前議員がほとんど。小池代表が求心力を維持できるか不透明で、分裂含みの展開に発展する可能性もある。


――野党の体制が固まるのには、まだ時間がかかりそうに見える。

 小栗政治部長「そうですね。希望の党・小池代表もようやく海外出張から帰ってきたので、これから希望の党がどういうかたちになっていくのかという点も、非常に注目される。ただ、ある政権幹部は、野党第一党の立憲民主党にしても『55議席しか持たない史上最小の野党第一党だ』と話すなど、すでに政権運営に自信を見せている。もしも、今回の衆院選で勝利した勢いにのって強気な国会運営に戻れば、国民の支持は得られないだろう。その意味では、安倍首相にとって最大のアキレス腱というのは、野党側の攻撃よりも、むしろ政権の姿勢にあると言えそうだ」


――ただ、国内外の問題は山積なのでスピーディーな動きも当然求められそうだが。

 小栗政治部長「そうですね。海外の動きにしても国民に対して、きちんと丁寧に説明していくということが、求められると思います」


【the SOCIAL viewより】