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金正男氏殺害 現場の空港で証拠調べ

2017年10月24日 12:39

 北朝鮮の金正恩委員長の兄・金正男氏が殺害された事件の裁判で、事件現場となったマレーシアの空港では、被告の女2人が立ち会い、裁判官が当時の状況を確認している。

 現場の空港では、武装した多くの警察官が周りを取り囲む物々しい雰囲気の中、被告の女2人が立ち会いのもと裁判官が当時の位置関係などについて警察官から説明を受けている。

 ベトナム国籍のドアン・ティ・フォン被告とインドネシア国籍のシティ アイシャ被告は今年2月、金正男氏の顔に猛毒の神経剤VXを塗りつけ、殺害した罪に問われている。

 24日の証拠調べは裁判官に現場を実際に確認してほしいという弁護側の要請で行われ、正男氏が治療を受けた医務室や、事件後の女らの逃走経路のほか、正男氏の事件前後の行動についても確認が行われている。女2人は、正男氏の顔に塗りつけたものが「VX」だとは知らなかったと、殺意を否認している。

 判決は来年以降になる見通しだが、指示をしたとされる北朝鮮国籍の男らはすでに帰国していて、全容解明は困難な状況。