イラク軍 クルド支配のキルクーク完全制圧
イラクと、独立を求めるクルド自治政府の対立が深まる中、イラク軍は16日、自治政府側が実効支配していたキルクークに大規模に軍を進め、完全に制圧した。
イラク軍の声明によると、イラク軍は15日深夜からイラクとクルド人自治区との境界に位置する油田地帯・キルクークに向け大規模な進軍を始め、油田の他、発電所や空港を次々と制圧した。
また軍はキルクーク中心部にまで入り、政府庁舎を制圧し掲げられていたクルドの旗もおろされた。
クルド自治政府が独立の是非を問う住民投票を強行したことへの報復としてイラク政府がキルクークを奪還した形で、アバディ首相は「国の分裂を防ぐための措置」と説明している。
これまでにクルド側との間で目立った衝突は確認されていないが、今後、自治政府の軍が反撃に出れば大規模な衝突に発展する可能性もあることから、自治政府側の出方が焦点となる。
こうした中、国連のグテーレス事務総長が声明を発表し、対話による解決を求めた。