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黄色いりんごなぜ増えた 赤りんご消える?

2017年10月16日 19:09

 赤いイメージが一般的な「りんご」。ここ最近、黄色いものが増えている。産地・青森では、赤いりんごから黄色いりんごへの植え替えが進んでいるという。黄色いりんごはなぜ増えているのか。生産現場を取材してみると、ある理由が見えてきた。


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 16日、都内で行われていたのは、青森県産のりんごをPRするイベント。提供されていたホットサンドの調理の様子を見せてもらうと、「トキ」という品種の黄色いりんごが使われていた。

 お客さんは――

 30代会社員女性「口の中に広がる香りの高さとジューシーさがとてもおいしいです」

 30代会社員男性「赤よりも黄色の方がみずみずしさがあって、口全体に甘さが広がる感じがしますね」

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 黄色いりんごは販売量も増えているという。都内の百貨店を訪ねてみると、りんご売り場には、赤いりんごの横に品種や産地が違う3種類の黄色いりんごが並べられていた。

 松坂屋上野店食品担当・浅川幸治サブマネージャー「王林とかシナノゴールドというブランドの品種が多くのお客様に知れ渡ったということもありまして。今まで実際、(赤)8対(黄)2ぐらいの展開だったんですが、今では(赤)6対(黄)4ぐらいで、だんだん黄色いりんごが上がってきた傾向です」

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 りんごの生産地では何が起こっているのか?青森県内でりんごを生産している農家を取材した。

 この農家では、赤いりんごの他に、15年ほど前から黄色いりんごの生産を始め、今では全体の4割ほどになるという。

 りんご農家・長尾博人さん「一番は作業労力を省くため。(赤いりんごで)一番大変なのは着色管理ですね。葉っぱ取って、お日様に当てて、反射シート敷いて、青い所玉を回して。全面赤くきれいにつくる作業が大変。その手間が(黄色いりんごより)3つ多くなります。手間かける分、収穫作業ができなくなる。その分、黄色い方が収穫の方に作業労力かけられるので」

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 青森県内の黄色いりんごの栽培面積をみると、2010年ごろから増えていることがわかる。高齢化が進んでいることも影響していて、青森県りんご協会は黄色いりんごは今後も増えていくとみている。一方、赤いりんごは、生産量は減ってはいるものの、国内での人気は根強いため、今後もなくなることはないだろうとしている。