年間わずか2%…臓器移植で救われた“命”
乾麻理子さん(51)は長年、病に苦しめられていた。生まれつき胆管が詰まってしまう「胆道閉鎖症」をわずらい、入退院を繰り返し、仕事ができない時もあったという。
乾さん「死に近づいている実感がありました」「黄疸とか、下血が止まらない状態でした」
唯一の治療は“肝臓移植”。しかし、自分は臓器移植は無理だろうと、そう覚悟を決めていたという。
乾さん「本当に、そろそろ死んでもおかしくないなと」
現在、日本で臓器移植を待つ人は約1万4000人。それに対して、希望が叶うのは年間わずか2%足らず。臓器提供に関する意思表示をしている人はまだ多くない。
それでも、乾さんは十数年前、医師のすすめもあり移植希望登録をした。その半年後、肝臓移植をすることができた。緊急度や搬送にかかる時間などを考慮し、コンピューターで希望者を選ぶという。
乾さん「運が本当に良かったと思います」
そんな乾さんが参加したマラソン大会。今年で12回目になるこの大会は、臓器移植を受けた人たちと、交流を深め、命の大切さを知ってもらうことが目的だという。臓器移植という“命のタスキ”を受け取った乾さん。かつて死を意識したとは思えない走りっぷりだ。
移植を受けた人には、ドナーの情報は一切、知らされない。それでも―
乾さん「(ドナーには)本当に感謝の気持ちしかない」「恥ずかしくないよう、生きていこうといつも思っています」
【the SOCIAL todayより】