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スノーリゾート 再活性化に必要なコトは?

2017年10月13日 18:26
スノーリゾート 再活性化に必要なコトは?

 「スキーブーム」という言葉も生まれるほどだった1990年代。スキーやスノーボードなどを年に1回でも楽しんだ人は、最も多かった1998年には約1800万人だったが、去年は580万人と3分の1以下となっている。

 スキー場がはやらなくなると、地元の雇用や経済に大きなダメージを与える。そこで、国はこうした現状を打破するため推進会議を開き、先週、一定の「方向性」を示した。


――どのような中身なのか

 「3つの課題」があげられている。1つ目は、外国人旅行者の受け入れ。2つ目は、グリーンシーズンの有効活用。3つ目は、新たな顧客の開拓だ。


■課題1:外国人旅行者の受け入れ

 日本には既に多くの外国人スキーヤーが訪れているが、あるスキー場では、昨シーズン、中国語がヘルメットのスピーカーから聞こえるレッスンを導入したところ受講者が2500人にのぼるほど好評だったという。こうしたこともあって、国は、さらなるスキーヤー獲得のためスキー場の整備が重要だとしている。


■課題2:グリーンシーズンの有効活用

 グリーンシーズンとは、芝生の「グリーン」から雪がないシーズンを指すが、この時期に観光客を集めることも重要だとしている。宮城県のあるスキー場では、雪がある営業は12月中旬頃からだが、雪がないシーズンにも「いも煮会」を行うほか、アトラクションが人気で、多い日には800人もの観光客が訪れるという。このように、1年を通してスキー場を営業することで夏場との相乗効果で冬場の増益が見込まれ、ひいては雇用も安定的に確保され、地域の活性化にもつながるとしている。


■課題3:新たな顧客の開拓

 3つ目は、子どもや比較的時間に余裕があるシニア層の取り込みだ。子どもたちに将来的にリピーターになってもらうなど、新たな客層の拡大も国は重要だとしている。


――こうした取り組みを進める上で問題点はないのか

 「安全第一」で進めることが重要だ。例えば、外国人観光客が増えると、コース外を滑走する「バックカントリー」の外国人スキーヤーが増える可能性がある。大変危険なので、マナーを守って滑ってもらう工夫が必要になる。また、スキー場の中には施設の老朽化が目立つところも増えている。十分に点検をして、施設の安全性をしっかり確保することも大切だと思う。