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カリフォルニア山火事…ワイナリーも大打撃

2017年10月12日 19:40

 アメリカ・カリフォルニア州の大規模な山火事は、東京23区よりも広い面積が燃え、これまでに23人が死亡、住民ら5万人が避難している。いまだに鎮火のめどが立たない中、非常事態宣言が出され、ワインの産地としても知られるナパ郡などでは、ワイナリーが大きな打撃を受けている。

 東京・港区虎ノ門のレストラン「ビストロチカラ」では、料理に合わせ、カリフォルニアワインをそろえているという。

 種類が豊富で日本人にも人気のカリフォルニアワイン。しかしいま、このワインの生産が難しい状況にあるという。大規模な火災の影響で、来年以降、カリフォルニアワインが仕入れにくくなる可能性があるというのだ。

 ビストロチカラ・遠藤力シェフ「ワイナリーも焼失しているところも結構あるので、来年の春夏分くらいまでは十分確保していますが、今年、いま仕込んでいる分がどうなるか不透明」

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 9日にカリフォルニア州で車の中から撮影された映像では、道路沿いに広がる炎が捉えられていた。そして、煙と炎で何も見えない状態に。8日夜にカリフォルニア州北部で発生した山火事は、すさまじい勢いで森を焼き尽くし、瞬く間に住宅街にまで燃え広がった。

 被害にあった住民「日曜の夜、起きたら火が迫っていた。急いで逃げた。大混乱だった」

 街の病院にも火の手が迫り、大急ぎで患者を避難させる。そして、人気のディズニーランド・リゾートの景色も一変。山火事の影響で空全体がオレンジ色に染まっている。

 カリフォルニア州の消防当局によると、火災は現在も20か所以上で延焼。これまでに東京23区よりも広い約6万9000ヘクタールが焼失した。

 大きな被害を受けた町、サンタローザに向かうと、柱が残っているだけで建物は跡形もなく、焼け跡からはまだ煙が出ていた。これまでに住宅や店舗、あわせて3500棟が全焼。警察などによると23人が死亡、185人がケガをしたほか、300人近い人と連絡がとれない状況が続いているという。

 チラシを配りながら、行方不明の母親を捜す人も。9日の未明、母親から電話がかかってきたという。

 母親が行方不明「母は電話で『辺り一面火の海で、家から出られない』と言っていました。あまりにひどい悪夢です…」

 被害がここまで拡大した原因は、空気が乾燥している上に強風が吹いたためとみられている。

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 被害は、カリフォルニア名産のワインにも。あるワイナリーでは貯蔵施設が全焼、焦げたタンクやたるだけが残されていた。

 ブドウの収穫期を迎える最中での火災に、焼け落ちたワイナリーでは今年の仕込みが絶望視されている。

 壊滅的な被害をもたらした今回の大規模火災。発生から丸3日以上たったいまも鎮火の見通しは立っておらず、さらなる被害の拡大が懸念される。