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人工知能に書道、柔道…変わる「幼児教育」

2017年10月11日 18:32

 保育園や幼稚園で、ユニークなカリキュラムを取り入れるところが出てきている。子どもたちにコンピューターを身近に感じてもらえるような仕掛けや集中力を高めるための工夫など、幼児教育の今を取材した。

■「AIロボット」を活用

 京都・舞鶴市の「しらく幼稚園」。午前8時すぎに到着したバスから園内に入っていく子どもたちを玄関で出迎えていたのは、人工知能(=AI)を搭載したヒト型ロボット「ペッパー」だった。

 園児にも大人気のAIロボットは、今年の6月から導入したという。なぜ、導入することになったのか。

 しらく幼稚園・常塚義一園長「2020年から小学校・中学校の学習指導要領が改訂される。その中身の1つにAI教育が入っておりまして、我々としては、ペッパーを活用してちょっとでもAI教育を先駆けてやれたらいいなと」

 年少クラスの授業を見てみると─。

 ペッパー「動物鳴きまねクイズですね。今から僕が画面に動物を表示するので、僕に鳴き声を教えてください」

 画面に表示されたのは、ゾウ。子どもたちが一斉に「パオーン」と叫ぶと、ペッパーは、「はい、正解はこちら、パオーン」。子どもたちも「キャー、ゾウさん」と大喜び。

 また、年中クラスでは、文字学習などでAIロボットを活用。英語の発音や計算など、種類は100以上にのぼるという。

■「書道」で培われるのは

 一方、東京・江東区の「きよし幼稚園」で園児たちが真剣な表情で取り組んでいたのは、書道。この日の課題は「車」という漢字。園児たちは慣れた手つきで筆に墨汁をつけ、先生の指示に従いながら、姿勢良く書きあげていた。

 きよし幼稚園・宮下昭子総主任「文字への興味とか集中力等も培ってきていると思います」

 文字の学習にも役立っているという書道。さらに文字に興味をもってもらおうと、クイズ形式で象形文字も学んでいた。

■中学校で必修の「柔道」も

 また、埼玉・川口市の「たいよう保育園 中青木園」では、園児たちが近くの道場に向かい、ケガを防ぐのに欠かせない受け身の練習を行っていた。柔道は、4、5歳児を対象に週に一回、行っているという。

 たいよう保育園・仲島大勝代表「今の子どもたちに何が必要かを考えた中で、規律や礼節や忍耐などを子どもたちに学ばせたいというのがそもそものきっかけになります」

 そのため、一つ一つのあいさつを大切にしている。さらに、ただ相手に直接技をかけるのではなく、型の練習も。中学校でも必修科目になる中、柔道を学ぶことで、子どもたちにも変化があるという。

 たいよう保育園・仲島大勝代表「普段の遊びや活動の中にもメリハリが出てきたようにも見えます」

 多様化する幼児教育。こうした動きは今後も広まっていきそうだ。