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車いすテニス日本一「支える」父の行動力

2017年10月11日 17:21
車いすテニス日本一「支える」父の行動力

 相手は居眠り運転の車。2歳の時に交通事故に遭い、脊髄を損傷した男の子は10年後、車いすテニスジュニアの日本一になった。「この世の不幸を全て背負ってしまったようなつらさ」を味わったという家族。日本一までの苦悩と努力、そして父の行動力とは―

 2016年車いすテニスジュニア日本一の坂口竜太郎選手(13)。そんな竜太郎君をコート横で見守るのは、父・剛さん(42)だ。

 竜太郎君が、交通事故に遭ったのは2歳の時だった。

 父・剛さん「『朝、いってらっしゃい』と言って送り出してくれて、夕方会った時には、まったく違う息子の形をしているんです」

 相手は居眠り運転の車。竜太郎君は脊髄損傷で脇から下に麻痺(まひ)が残った。

 剛さん「この世の不幸を全て背負ってしまったような」「この世で一番不幸なのは、我が家なんじゃないかって思うくらいのつらさです」

 剛さんは福岡県で設計関係の仕事をしていた。しかし、より良い病院を求めて、神奈川県に引っ越し、そして、より良い学校を求めて、現在の千葉県へと2度目の引っ越しをした。

 竜太郎君が小学3年生の時、「車いすテニスをやってみたい」とつぶやいた息子に、剛さんは、テニスクラブを必死に探した。しかし、受け入れてくれるテニスクラブが見つからず、息子の願いをかなえるため、剛さん自らが、車いすテニスクラブ「ウラテク」を設立した。

 剛さん「なんで僕が車いす、なんで僕だけっていうのは、たまに出てくる言葉ではあるんです」「つらい気持ちは本人じゃないとわからない、わからないですけれども支えることはできる」「家族はそういった役目なのかなと思います」

 アメリカで行われる練習会の出場権をかけ、竜太郎君は21日から始まる大会に挑む。


【the SOCIAL viewより】