出馬100%ない…希望の党の首相候補は?
衆議院選挙の公示まであと6日。選挙の構図が固まってきた。こうした中、希望の党は公約のトップに消費税率10%への引き上げ凍結を掲げ、安倍政権との違いを示して行く考え。
固まってきた総選挙の構図は、自民・公明の与党に日本のこころを加えた政権側。希望の党と日本の維新の会、民進党出身の無所属の野党保守勢力。それに立憲民主党と共産党、社民党の野党リベラル勢力の三つどもえの図式。この3極の駆け引きが活発になってきている。
小池東京都知事率いる希望の党が公約のトップに消費税率10%への引き上げ凍結を掲げる方針。税率引き上げを前提としている安倍政権との違いを明確にする狙い。
一方で希望の党は第一次公認では公明党の候補者がいる選挙区や自民党でも小池代表と関係が深い石破元幹事長や野田総務相の選挙区に対抗馬の擁立を見送った。
■擁立見送りの背景にはどんな理由があるのか?
総選挙の後をにらんだ小池代表の戦略が見え隠れする。首相周辺は「希望の党が第二党でも自民党が過半数割れした場合の連携を見据えてのことだろう」と分析しつつ「この戦略の実現性はほとんどないだろう」としている。
小池代表は4日、連携に含みを残した。
小池代表「(Q:もし自民党が安倍総裁以外の方がトップになった場合は連携の可能性はあるか)いや、それはやってみないと、またどなたになるのかも選挙の結果次第であります」
一方、与党側は警戒を強めている。安倍首相は新党の動きを強く批判した。
安倍首相「私が当選したころ新党ブームだった。でも結果は混乱と経済の低迷だった」
また公明党幹部は「小池代表の戦略には不快感しかない。自民・公明の連携にくさびなんて打てない」と反発している。
■一方、リベラル勢力の方も動きが活発化しているようだ。
立憲民主党は3日に立ち上がったばかりだが、50人を超す候補者を擁立する方針が明らかになった。
枝野代表「何とか50人ぐらいにはいくんじゃないかな。そうすると一つのまとまりとして認めていただけると思ってる」
こうした中、共産党は立憲民主党との連携を加速させている。立憲民主党の長妻代表代行の選挙区など東京のいくつかの選挙区で共産党は立候補を取り下げる方針を決めた。また社民党も立憲民主党との連携に前向き。
一方、対応に苦慮しているのが民進党最大の支持組織「連合」。「連合」の定期大会で神津会長は、今回、特定の政党は支援せず、政策協定を結んだ候補者を個別に支援する方針を示した。
連合・神津会長「私たちの政策・理念を共有する連合推薦候補者、地道な取り組みを重ねる同志の勝利に向け、全力を挙げる」
■衆院選は政権選択の選挙だが、希望の党の首相候補は誰になるのか?
そこは大きな焦点だ。小池代表については本人が強く否定していることや希望の党が第一次公認で東京のほとんどの選挙区に候補者を立てたことから今回は出馬を見送り首相候補にならないとの見方が強まってきている。政権幹部も「あそこまで言ってるんだからもう出ないだろう。共同代表がどうなるかでまた大もめするでしょ」と冷ややかに語っている。
選挙にあたり誰を首相候補に掲げるのか。選挙結果にも少なからず影響を与えることになる。