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新たな天文物理学の幕開け…日本人も貢献

2017年10月3日 22:19

 今年のノーベル物理学賞に世界初の「重力波」の観測に貢献したアメリカの研究者3人が選ばれた。新たな天文物理学の幕開けともたたえられる今回の快挙には、多くの日本人も貢献していた。

 物理学賞の受賞が決まったのは、2015年9月、世界で初めて重力波を観測したアメリカの重力波観測施設「LIGO」を率いる研究者でアメリカ国籍のレイナー・ワイス博士、キップ・ソーン博士、バリー・バリッシュ博士の3人。重力波は、ブラックホールなど重い天体が合体した時などに発生する「時空のさざ波」で、物理学者のアインシュタインが約100年前にその存在を予言していた。

 今回、重力波が直接、観測されたことで、今後、ブラックホールの正体や宇宙誕生の謎の解明につながると期待されている。

 また、重力波を捉えたアメリカの観測施設では、多くの日本人研究者も装置の開発などに携わっていて、ノーベル賞の受賞決定に喜びの声をあげている。

 LIGO・新井宏二上級研究員「自分の装置が検出に直接貢献できたのが研究者として感無量です」

 LIGOで装置開発に携わった和泉究さん「皆さんの努力が何十年も脈々と続いて最終的に結実したというのは感動です。もうすごい誇りに思います。人生のハイライトですね」

 一方、物理学賞の発表を受けて、日本で重力波の観測を目指す東京大学宇宙線研究所の梶田隆章所長らが記者会見し、感想を語った。

 東京大学宇宙線研究所・梶田隆章所長「非常にうれしく思います。非常に大切な分野の研究をKAGRAで発展していきたいと」

 岐阜県に建設された日本の重力波観測施設KAGRAは、早ければ来年の観測開始を目指していて、新たな重力波天文学の発展が加速すると期待されている。