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対北制裁決議修正案 米なぜここまで配慮?

2017年9月12日 1:09

国連の安全保障理事会の北朝鮮への新たな制裁決議案をめぐり、アメリカが中国などの賛同を得るために作った修正案をNNNが入手した。当初盛り込んでいた石油の全面輸出禁止を大幅に妥協し、「輸出を制限する」との内容にとどまっている。国連の安保理から平本典昭記者が伝える。

■なぜ、アメリカはここまで配慮したのか?

 当初アメリカが掲げた「最強の決議案」は4日で「中国との妥協案」に変化を遂げた。アメリカとしては制裁の中身よりも国際社会の結束を優先した形。当初アメリカは「中国が反対するならすればいい。自らが批判を浴びるだけだ」と強気の姿勢だった。しかし、水面下の協議を経て態度を軟化させた。外務省関係者は「特に中国、ロシアが嫌がる項目を削った」と指摘している。最終的には「アメリカと中国がけんかをすれば得をするのは北朝鮮とみて矛を収めたのだろう」と話している。

■ここまで中国などに配慮すれば決議案は採択されると思っていいのだろうか?

 そう簡単ではない。中国はさらなる譲歩を求めているようだ。安保理関係者は「今の時点で中国が賛成するとは聞いてない」と話している。さらにロシアの出方も見えておらず、採決の行方はまだ不透明な状況。

 今ある修正案にさらに修正を重ねて、採決にかけられる可能性もある。また、安保理の開催が遅れるとの事で、ぎりぎりまで交渉が続く事になりそうだ。