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政府内には効果疑問視する声も 新制裁決議

2017年9月12日 17:19
政府内には効果疑問視する声も 新制裁決議

 国連安全保障理事会は、原油や石油精製品の輸出を制限することなどを盛り込んだ北朝鮮への新たな制裁決議を全会一致で採択した。安倍首相をはじめ、日本政府は短期間に国際社会の足並みがそろったことを評価している。しかし、妥協した内容に、政府内には制裁の効果を疑問視する声も出ている。国会記者会館から青山和弘記者が伝える。

 政府高官は「中国やロシアに拒否権を使わせないことが大事なんだ」と話し、決議が全会一致で採択されたことの意義を強調する。

 政府関係者によると、安倍首相も先週の日露首脳会談でプーチン大統領に協力を呼びかけ、一定の役割を果たしたという。

 一方で、焦点だった石油の禁輸が削られたことなどから制裁の効果を疑問視する声もある。官邸関係者は「北朝鮮は本当に困らないと核ミサイル開発の放棄に向けた対話には応じない」と話している。

 さらに政府内では、こうした国連決議には抜け道も多く、どこまで北朝鮮の態度を変える効果があるのか懐疑的な見方も出ている。また、政府高官は「北朝鮮はあれだけ言っているんだから何かやるんだろう」と警戒感をあらわにしている。防衛省関係者は、「まずはきょう、明日が注目だ」と語っている。

 危険なチキンレースのゴールが見えない中、小野寺防衛相は「高い緊張感をもって国民の安心安全に万全を期していく」と強調した。