北朝鮮は９日、６９回目の建国記念日を迎えている。ＩＣＢＭ（＝大陸間弾道ミサイル）の発射など、さらなる挑発行為への各国の警戒が続いている。韓国・ソウルから尼崎拓朗記者が伝える。

　北朝鮮にとって９日は政治的に重要な節目の一つだが、警戒されている軍事的な挑発は今のところ、行われていない。

　９日朝の「労働新聞」は、３日の核実験の成功を祝う行事を写真つきで伝えるとともに、社説で「敵があえて、我々の尊厳と自主権を少しでも傷つけるなら、無慈悲に掃討すべきである」と主張。建国記念日に合わせ、国内の結束を呼びかけている。

　去年は、建国記念日当日に５回目の核実験を強行した北朝鮮だが、今のところ、挑発行為は行われていない。在韓アメリカ軍の関係者は、９日以降も警戒を続けるとした。

　一方、建国記念日に合わせて２０１５年まで祝電が届いていた中国から、今回届いたという報道は今のところない。

　日本時間１２日早朝に国連安保理では北朝鮮への新たな制裁決議の採択に向けた協議が行われる予定だが、安保理が必要な措置を取ることに賛成するとした中国との複雑な関係が反映されたと言えそうだ。