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プーチン氏 会談前に北への経済協力提案

2017年9月7日 19:22

 ロシアのウラジオストクを訪問している安倍首相はプーチン大統領と会談し、北朝鮮に対する制裁の強化に協力を求めた。プーチン大統領の反応はどうだったのか、現地から佐藤正樹記者が最新情報を伝える。

 会談直前に安倍首相はプーチン大統領から強烈な先制パンチを浴びせられており、難しい会談になったとみられる。

 プーチン大統領「(北朝鮮に関して)ロシアには具体的な提案もある。北朝鮮へのパイプラインの設置や港の開発などだ」

 プーチン大統領は会談の直前に行われたこのフォーラムで、北朝鮮での鉄道網の整備についても言及するなど、日本の主張とは正反対に北朝鮮への経済協力を提案した。

 日本やアメリカが、石油の輸出禁止など強力な経済制裁を目指す中、逆に経済協力を提案することで、日米韓の連携に揺さぶりをかける狙いもあるとみられる。

 また、北方領土問題については共同経済活動で、海産物の養殖など5つの項目に絞り込むことで合意したとみられる。日本政府は解決の足がかりにしたい考えだが、4島の返還に向けた具体的な道筋はまだまだ見えてこない。

 安倍首相はプーチン大統領との会談は19回目だと強調したが、実際は交渉の難しさばかりが浮き彫りとなり、会談を重ねるだけでは克服できない厳しい現実に直面していると言えそうだ。