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北の核実験 爆発の威力50キロトン~韓国

2017年9月3日 19:10

 核実験場のある北朝鮮北東部で3日午後、人工的な地震が観測された。国営テレビはICBM(=大陸間弾道ミサイル)に搭載する水爆の実験を行い成功したと伝えた。今回の核実験の狙いはどこにあるのかソウルから藤田賢治記者が伝える。

 自らの核保有を認めさせたい北朝鮮が望むような動きがアメリカから見えないことに対し、過去最大規模の核実験という大きな脅威を突きつけた。

 韓国気象庁は爆発の威力について、50キロトン前後で前回の5から6倍の威力としている。国営メディアでは核実験に先立って3日朝、金委員長がICBMの弾頭に搭載される水爆を視察し「核兵器完成の仕上げの研究開発を力強く行うべき」と強調していた。小型化された核兵器の開発が進んだことを主張したその数時間後に過去最大規模の核実験を行い、脅威が言葉だけのものではないと誇示する狙いがあったとみられる。

 一時は「レッドライン」、つまり北朝鮮に対するアメリカが許容できない一線は「ICBMの発射」と「核実験」とする見方があったが北朝鮮はそれを次々と越えアメリカへの核攻撃が現実的な脅威だと威嚇している。

 また韓国聯合ニュースは中国の地震局の情報として、1回目の地震の8分後に2回目の地震があったと報じたが、その後2回目は崩落による揺れと伝えている。

 発射実験を繰り返しICBMの開発を進める北朝鮮が、その主張の通り今回水爆実験に成功したとすれば国際社会への脅威はさらに新しい段階に入ったことになる。