核実験場のある北朝鮮北東部で３日午後、人工的な地震が観測された。国営テレビはＩＣＢＭ（＝大陸間弾道ミサイル）に搭載する水爆の実験を行い成功したと伝えた。中国政府は３日午後、声明を発表し強い言葉で北朝鮮の核実験を批判した。

　中国外務省は、声明で核実験について「断固として反対するとともに厳しく糾弾する」とした上で、間違った行動をやめ対話の道に戻るべきと自制を求めた。

　今回の核実験は、タイミングとしても中国の神経を逆なでするもの。３日から中国ではＢＲＩＣｓ関連の国際会議が開かれていて、習近平指導部にとってはホスト役として外交手腕をアピールする重要な場でまた泥を塗られた形。

　核実験についてはこれまで中国共産党系のメディアなども放射能漏れの恐れがあり、北東部の混乱を招くとして絶対に受け入れられない中国にとってのレッドラインだとしてきた。そして、「強行すれば前例のない厳しい措置をとる」として北朝鮮への原油の供給停止という制裁カードを切る可能性も示唆してきた。

　ただ、党大会を来月に控え中国は今、朝鮮半島情勢を悪化させる極端な制裁は控えたい思いがあり、アメリカや日本が求める北朝鮮への原油の供給停止という議論に応じるかは依然、不透明。