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概算要求 4年連続100兆円超の見通し

2017年8月31日 10:27
概算要求 4年連続100兆円超の見通し

 来年度予算の各省庁からの概算要求が31日、締め切られる。総額は4年連続で100兆円を超え、101兆円前後となる見通し。

 来年度予算の最大の焦点は、増え続ける社会保障費をいかにして抑えるか。各省庁からの予算要求で額が最も大きいのは医療や年金など社会保障を担当する厚生労働省で、全体の約3割にあたる31兆4298億円となった。高齢化で社会保障費が膨らむことから、今年度の予算を2.4%上回って過去最大となった。

 また、防衛関係費も5年連続で増え続け過去最大の5兆2000億円あまりを要求する方針。今回は北朝鮮のミサイル発射に対応するため、新たに陸上型のミサイル迎撃システム「イージス・アショア」を導入する経費も金額は示さずに計上する予定。

 さらに、安倍政権が掲げる看板政策、幼児教育や高等教育の無償化に向けても要求が出るなど、規模は膨らみ続けている。ただ、教育の無償化は財源のめどが立っていない。

 財務省は薬の価格や、医療機関に支払う診療報酬などの見直しを中心に3兆円程度を圧縮する考えだが、与党や医療関係者の激しい反発が予想される。財政が悪化する中、どれだけ圧縮できるか。年末の予算編成にかけて正念場となる。