麻生財務相は、ナチス・ドイツによるユダヤ人虐殺について「いくら動機が正しくてもダメだ」とした自らの発言を不適切だとして撤回した。

　麻生財務相は２９日、自らが率いる自民党麻生派の研修会でナチス・ドイツを率いたヒトラーについて次のように述べた。

　麻生財務相「（政治家は）結果が大事なんですよ。いくら動機が正しくても何百万人殺しちゃったヒトラーはやっぱり、いくら動機が正しくてもダメなんですよ、それじゃあ」

　この発言について麻生財務相は３０日朝、コメントを発表し、「私がヒトラーについて極めて否定的にとらえていることは発言の全体から明らかだ」としつつも、「例示としてあげたことは不適切で撤回したい」と述べた。

　しかし、野党側は「財務相としての適性を疑う」などと批判している。

　民進党・山井国対委員長「国際的に通用する財務大臣としては極めて恥ずかしいし、適性を疑わざるを得ないと思います」

　一方、菅官房長官は会見で「麻生氏も機会をとらえて説明するだろう」と述べた。