専門家に聞く「実戦的データ」獲得が狙いか
今回の北朝鮮の弾道ミサイル発射について、専門家は「実戦的なデータが欲しかったのでは」と指摘している。
北朝鮮のミサイルなどに詳しい海上自衛隊・元海将の伊藤俊幸さんは、日本の上空を通過した理由について「水平に撃った場合のデータが必要」との可能性を指摘した。
金沢工業大学虎ノ門大学院・伊藤俊幸教授「今まではロフテッド(軌道)で真上にしか撃っていないから、水平に撃たないと実際のいろいろな技術データが取れない。ですから、いずれどんな形にせよ(北朝鮮は)太平洋側に撃ちたい」
また、平壌から発射したということについては-。
伊藤俊幸教授「アメリカの衛星などを回避しながら、夜間に燃料を注入して車両に載せて西側(諸国)がまさかと思う場所から撃つ」
さらに「新型ミサイルの可能性もある」との見方も示した。
一方、朝鮮半島情勢に詳しい東京国際大学の伊豆見元教授は29日の発射について、「米韓合同軍事演習のタイミングに合わせた」と指摘した。
東京国際大学・伊豆見元教授「現在進行中の米韓合同軍事演習が終わると、6か月間、大きな定例の軍事演習がなく、その前にミサイル発射を終えておくという(狙いがあった)可能性もある」
その上で、今後、北朝鮮はアメリカではなく対話に積極的な韓国との交渉に動くとみている。