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フェリーで「水蒸気量」観測 予報に活用へ

2017年8月29日 21:41
フェリーで「水蒸気量」観測 予報に活用へ

 集中豪雨の予測精度を高めようと、気象庁は、民間のフェリーにセンサーを搭載して海上の水蒸気量を観測し、気象予報に活用していく方針を決め、来年度の概算要求に研究費を盛り込むことになった。

 先月起きた九州北部豪雨などの集中豪雨は、大量の水蒸気が南の海上から流れ込み、積乱雲が発達して起きたとみられている。このため、気象庁は海上の水蒸気量を観測し、気象予報に活用していく方針を決めた。

 具体的には、九州や四国と沖縄などを結ぶ約10の定期航路で、民間のフェリー17隻に観測のためのセンサーを搭載し、観測を行う。気象庁によると、海上の水蒸気データを従来の予報モデルに反映することで、積乱雲が連なり集中豪雨の原因となる「線状降水帯」の発生などをより精度良く予測できるという。

 気象庁は、来年度の概算要求に研究費として9600万円を盛り込み、来年度中にも海上での観測を始めたい考え。