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北ミサイル政府分析が錯綜 外交は正念場

2017年8月29日 17:36
北ミサイル政府分析が錯綜 外交は正念場

 北朝鮮は29日午前6時前、北東方向に弾道ミサイル1発を発射し、北海道の上空を通過したのち太平洋に落下した。日本政府の反応は以下の通り。

 ミサイルが日本上空を通過したことに、安倍首相は「深刻かつ重大な脅威だ」と危機感をあらわにしている。

 安倍首相「我が国を飛び越えるミサイル発射という暴挙は、これまでにない深刻かつ重大な脅威」

 北朝鮮の弾道ミサイルが日本上空を通過するのは去年2月以来だが、前回は行われた国際機関を通じた事前通告が今回はなかった。政府高官は「これで終わりではない」と語り、警戒を強めている。

 また小野寺防衛相は一度「中距離弾道ミサイルの可能性がある」と明らかにしたが、その後、防衛省が「ICBM級の可能性もある」と言い直したり、ここに来て「3つに分離していない可能性もある」と話すなど、政府の分析が錯綜(さくそう)している。

 安倍首相は、アメリカや国際社会と連携して「北朝鮮に圧力を強めていく」と話す。しかし、ある政府関係者が「日本にできることはもう限られていて、問題解決の道筋は見えない」と語るなど、手詰まり感もただよっている。

 北朝鮮の挑発行為によって日本に直接の被害が及ぶ前に、北朝鮮を核の放棄に向けた交渉の場に引っ張り出すことができるのか。安倍首相の外交は正念場を迎えている。