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日米の高校生“トランプ政権の米国”を議論

2017年8月25日 16:28
日米の高校生“トランプ政権の米国”を議論

 アメリカのトランプ大統領が就任してから約200日。アメリカと日本の高校生は「トランプ政権になったアメリカの今」をどう見ているのか。

 熱狂的な支持者に支えられているトランプ大統領。一方で、支持しないという『反トランプ』の人も数多くいる。大統領就任から約200日。ロシア疑惑への捜査が続くなど、政権の足元は定まっていない。

 そんなトランプ政権を、未来の世界を担う10代の若者はどう見ているのか。

 今月、日本とアメリカの高校生たちがワシントンを訪れた。彼らはインターネットを通じて交流する授業で知り合い、さらに相互の理解を深めるため、夏休みを利用して初めて実際に顔を合わせた。

 このうち、8人が「トランプ政権のアメリカ」をめぐり、意見を交わした。

 アメリカ側の4人のうち3人は、トランプ大統領が選挙で勝利を収めた州の出身だ。(ミシガン州が1人、ケンタッキー州が2人)

 ケンタッキー州出身・ペイジさん(17)「ケンタッキー州では、ほとんどの人がトランプ氏を好きで、私の父もトランプ氏が大好きです。炭鉱で働いているから(労働者支持層)、大多数の意見に従わなくてはいけないとプレッシャーを感じます」

 ただ、アメリカ人学生4人の中では、大統領を「好き」とした学生はゼロ。大統領を判断するのは感情ではないとも指摘した。

 ミシガン州出身・ビアンカさん(17)「好きか嫌いかということではないと思います。彼は大統領だから、国のリーダーとして尊重する点はあります」

 伊澤黎さん(18)「アメリカ人は、トランプ大統領を好きな人と嫌いな人で分かれていると思っていました」

 また、不法移民への対策を強く打ち出すトランプ大統領は、目玉公約に「メキシコ国境での壁建設」を掲げている。

 メキシコ系アメリカ人・ビアンカさん(17)は、トランプ政権になって「差別の風潮が強まった」と感じると打ち明けた。

 ビアンカさん「トランプ大統領の選挙戦が始まるまで、私の人種について話してくる人はいなかった。最近は『お前の家族は違法移民か?お前は違法移民なのか?』と聞いてくる人が出てきた。傷ついたわ」

 メイソンさん(17)「トランプ大統領の発言を根拠に『大統領が言うなら、我々も差別をしてもいいんだ』と言う人が出てきた」
 アメリカの学生に対しては、こんな素朴な疑問も。

 森田あつみさん(17)「トランプ大統領のツイッターをフォローしている?」

 アメリカの学生たち「NO~!」

 トランプ大統領が打ち出すのは、自国の利益を最優先するという「アメリカ第一主義」。世界での孤立を深めかねないものだが…

 ペイジさん「『アメリカ第一主義』を、もっと違う方法で実現すべきだと思う」

 茄子川佳奈さん(17)「自国の経済を良くする必要はあるけど、他国との友好関係は平和構築のために必要だと思います」

 ペイジさん「私もそう思うわ」

 それぞれの視点を学んだ日米の高校生。次の選挙から有権者になる彼らは、将来どんな一票を投じるのだろうか。