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米、ロシアでのビザ発給を一時停止へ

2017年8月22日 3:43

 在ロシア・アメリカ大使館は21日、ロシアでのビザの発給を一時停止することを発表した。ロシアがアメリカの外交官らの大幅削減を求めたことを受けた措置だとしている。

 在ロシア・アメリカ大使館の発表によると、23日からロシア全土で、観光やビジネスなど移民以外のビザの発給を一時停止し、来月からモスクワにある大使館だけで手続きを再開するという。サンクトペテルブルクとウラジオストク、エカテリンブルクにある総領事館では手続きはできず、ビザが必要なロシア国民はモスクワまで行く必要がある。

 ロシアはアメリカの対露制裁を強化する法律への対抗措置として、ロシアで勤務するアメリカの外交官やスタッフなど755人を来月までに削減するよう求めている。アメリカ大使館は、この人員削減によって業務が行えなくなったと説明していて、ロシアの要求については「2か国関係の改善への真剣さを疑わせる」と批判している。

 これに対して、ロシアのラブロフ外相は21日、ビザ発給の一時停止により多くの国民が不便を強いられることから、「ロシア政府に対する国民の不満を引き起こす試み」だと反発している。ただ、アメリカとの決定的な対立は避けたい思惑があるとみられ、さらなる対抗措置については「我々はアメリカ国民に八つ当たりはしない」と述べるにとどまっている。