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日航機墜落から32年 「慰霊の園」で式典

2017年8月12日 21:28
日航機墜落から32年 「慰霊の園」で式典

 520人が犠牲になった日航ジャンボ機の墜落事故から32年を迎え、墜落現場となった群馬県上野村は12日、追悼の祈りに包まれた。

 遺族らは、12日朝早くから「御巣鷹の尾根」を目指し、11日の雨でぬかるんだ山道を登った。それぞれの家族の遺体が見つかった「墓標」が立つ場所や、「昇魂の碑」と名付けられた慰霊碑にたどり着くと、ゆっくりと手を合わせ、犠牲者の冥福を祈った。

 また、午前10時半頃には、遺族らが「安全の鐘」を鳴らし、交通の安全を祈った。今年は三十三回忌の節目で、3連休の中日だったこともあり、過去3番目に多い97家族359人の遺族が登ったという。

 おじを亡くした男性「1年に1回ですけども、ここでないと会えないような気がするんですよ」

 父を亡くした男性「父が生きられなかった分、前を進んで生きていますよと今年も報告しに来ました」

 遺族「8・12連絡会」美谷島邦子事務局長「これからも特に子どもたちに私はこの事故を伝えていきたいなと思っています」

 午後1時すぎには、日本航空の植木義晴社長が御巣鷹の尾根を訪れ、献花を行った。日本航空では事故を経験していない社員が全体の94%になっている。

 植木義晴社長「我々の使命はこの事故を風化させることなく、この事実をしっかりと心に刻み込んで、これからの安全運航に全力を尽くす」

 夕方には、御巣鷹の尾根から10キロほど離れた「慰霊の園」で、遺族や日本航空の関係者ら、260名が出席して、式典が行われた。日が沈むと、犠牲者の数と同じ、520本のロウソクに火が灯され、飛行機が墜落した午後6時56分に合わせて追悼の祈りがささげられた。

 父を亡くした女性「この時間帯だったんだなって改めて思います。この暗さ山の中はどんなに苦しかったんだろうと思いました。一連の慰霊の行事が終えられたので、また明日から頑張っていこうという気持ち」