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稲田防衛相、辞任へ なぜ今?リスクは?

2017年7月27日 23:53
稲田防衛相、辞任へ なぜ今?リスクは?

 稲田防衛相が27日、辞任する意向を固めた。南スーダンに派遣されていた自衛隊の日報問題をめぐり特別防衛監察の結果が28日に公表されるのを前に、監督責任をとった形。首相官邸前の青山記者に聞く。

■なぜ稲田防衛相はこのタイミングで辞任の意向を固めたのか

 28日の特別監察の結果を受けて、陸上自衛隊と防衛省事務方、それぞれのトップが辞任に追い込まれる。それなのに、防衛省・自衛隊全体を統括する防衛相が責任をとらない訳にはいかない。わずか1週間後の内閣改造すら待ってはいられないという判断。

 政権幹部は、「事務次官まで辞任するのはやはり大きい。稲田さんも大臣の一分を見せたのだろう」と話している。

 また安倍首相にとっても、期待を寄せていた稲田防衛相に対してですら最後は厳しく対応したというメッセージを出す狙いもあるとみられる。ある自民党幹部は「支持率もわずかでも上がるんじゃないか」と話している。

■北朝鮮の弾道ミサイル発射に対する警戒が続く中での防衛相辞任にはリスクもある

 日本の安全保障には今一寸の隙もゆるされないが、安倍首相は周辺に、内閣改造までは自分以外の閣僚に防衛相を兼務させて乗り切る考えを示している。官邸関係者は「防衛大臣が1週間海外出張するケースもあるんだから大丈夫だ」と話している。

 一方、ある防衛省幹部は「この間、北朝鮮のミサイル分析も普段通りできなかった。騒ぎが収まると思うとほっとする」とさえ話している。

 北朝鮮の脅威が増す中で様々な批判と混乱を招いた稲田防衛相の責任は大きいし、安倍首相の任命責任も問われることになる。

■来週予定されている監察結果についての閉会中審査に稲田防衛相は出席するのか

 まだ決まっていないが、自民党の国対関係者は「普通は辞めた大臣は出さない」と語っている。これに対して民進党からは早くも「稲田隠しではないか」との声が上がっている。

 稲田防衛相は、自らの関与も疑われた日報問題をめぐる防衛監察の結果について、最後まで説明責任を果たす必要がある。