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日報保管、稲田氏に報告した~防衛省関係者

2017年7月20日 12:30
日報保管、稲田氏に報告した~防衛省関係者

 南スーダンに派遣されていた自衛隊部隊の日報をめぐる問題で、日報を廃棄したと説明した陸上自衛隊でも実際には日報が保管されていたことについて、防衛省関係者が今年2月に稲田防衛相にも報告したと話していることが明らかになった。国会記者会館から加藤聡記者が伝える。

 稲田防衛相はその後も国会で「報告を受けたことはない」と答弁していて、答弁が虚偽だった可能性が出てきている。

 防衛省幹部によると、今年2月15日に、黒江事務次官ら防衛省の幹部が集まり、陸上自衛隊でも日報を保管していた事実が報告され、公表しない方針を確認したという。また、複数の防衛省関係者が同日に稲田防衛相に対しても報告したと話していることが新たにわかった。

 一方、稲田防衛相は19日、記者団に対して「報告を受けた認識はない」としている。

 この食い違いについてある防衛省幹部は、「稲田大臣は報告を受けても、ことの重大性を理解できなかったのではないか」と話している。

 安倍首相は、来月3日に予定されている内閣改造で稲田防衛相を交代させて問題の幕引きをはかりたい考え。そのため、日報問題をめぐる防衛監察本部による調査についても、近日中に公表して区切りを付けたい考え。

 一方、後任の防衛相として、政権幹部は「なぜ防衛大臣にふさわしいのか明確な人をあてたい」としていて、防衛相経験者など安保政策に精通した議員が起用されるものとみられる。

 一方、野党側は「安倍首相の任命責任は大きい」として、来週行われる集中審議でも追及していく方針。