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水不足「取水制限・給水制限」の違いって?

2017年7月19日 17:46
水不足「取水制限・給水制限」の違いって?

 気象庁は19日、関東甲信地方・四国・中国・近畿・東海地方が梅雨明けしたとみられると発表した。

 これから本格的な夏を迎える中、心配されているのが「水不足」だ。今年の関東地方は平年に比べて雨が降っていない状況で、このことで特に今、埼玉県と東京都の水源となっている荒川水系の水不足が心配されている。

 荒川水系には3つのダム(二瀬ダム・浦山ダム・滝沢ダム)と貯水池があるが、最新の貯水率を見ると、二瀬ダムは30%と非常に低い数字となっている。4か所全体の貯水率は平年の約60%にとどまっているため、荒川では今月から10%の取水制限が行われている。

 自治体なども参加する荒川水系の渇水調整協議会は、今後もまとまった雨が降らない状態が続けば、取水制限を20%へ引き上げることも検討しているという。


■取水制限と給水制限

 「制限」と聞くと、「水道から水が出なくなるのでは」と生活への影響が心配されるが、すぐにそうなるわけではない。

 私たちが使っている水は、ダムとつながる川から浄水場を通して家庭などに送られる仕組みになっていて、川から浄水場に送る水の量を減らすことを「取水制限」という。

 しかし、さらに水不足が進むと、今度は浄水場から家庭などに送られる水の量を減らす「給水制限」が行われる。

 取水制限から給水制限になるまでには、段階がある。

 取水制限10%だと目に見える影響はほぼないが、20%になると公園の噴水が止められるなどの対策がとられる可能性がある。30%になると、高台にある一般家庭の水道が出にくい状態となる可能性がある。ここからさらに深刻になると、給水制限となる。

 実際、1996年には首都圏で水不足となり、30%の取水制限が行われ、夏休み中にもかかわらず学校のプールが使用中止となった。また、一部地域では給水制限も行われるなど市民生活に影響が出た。


■出しっぱなし、しない!

 シャワーの水の出しっぱなし、歯磨き中の水の出しっぱなし。この2つをこまめにやめるだけでも、節水の効果が得られる。日々の生活の中で私たち1人1人が、家庭で少しずつでも節水を心がけることが大切なのではないか。