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加計学園問題 自民党“態度一転”のワケ

2017年7月14日 17:35
加計学園問題 自民党“態度一転”のワケ

 加計学園の獣医学部開設を巡る安倍首相出席の集中審議について、自民党は民進党に一転して応じる方針を伝えるなど混乱があった。この混乱の背景には集中審議を巡る激しい意見対立があった。

 「集中審議に応じて首相が丁寧に説明する姿勢を見せるべきだ」という積極論。一方で「いくら否定しても水掛け論で疑惑が深まったと言われるだけだ」という消極論。

 この両論の間で自民党内、そして官邸内でも引っ張り合いとなった。これまで安倍政権にはみられなかったドタバタ劇で、加計学園問題への対応に非常に神経質になっていることがうかがえる。

 今後は、与野党の時間配分や参考人に誰を呼ぶのかなどについて協議される。首相周辺は前川前文部科学事務次官が加計問題のキーマンと指摘する和泉首相補佐官の出席も検討しているが、審議の形が整うまで、まだ紆余(うよ)曲折がありそうだ。

 いずれにしても政権には危機感が広がっているということになる。そうした中、政権幹部が「がらっと雰囲気が変わる」と期待するのが来月3日に予定されている内閣改造。

 ただ、こちらもそんなに甘くはない。稲田防衛相や金田法相などの答弁や発言が批判を浴びたこともあって、安倍首相は周辺に「安定感のある内閣を作りたい」と話している。

 そうした中、反転攻勢の起爆剤として党内に期待が高い小泉進次郎衆議院議員の閣僚への抜てきについては慎重な考え。また、政権の要、麻生財務相や菅官房長官の他、自民党の二階幹事長と高村副総裁も留任させる方針。

 そのため、与党内からは早くも「小手先の人事では今の苦境は乗り切れない」との声が上がっている。集中審議、そして内閣改造と安倍首相にとって対応の難しい正念場が続くことになる。