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劉氏取材に規制…中国警官十数人、記者囲む

2017年7月13日 1:26

 ノーベル平和賞を受賞した中国の民主活動家で、末期ガンの治療のため仮釈放中の劉暁波氏の病状をめぐり、情報が錯綜(さくそう)している。

 劉暁波氏は末期の肝臓ガンと診断され、危篤状態にあるとされているが、香港の人権団体は12日午前、親族の話として「病状が好転し、意識が戻った」と明らかにした。

 しかし、劉氏が入院する病院は、「肝機能がさらに悪化し、ショック状態にある」と発表。さらに夕方にも、「呼吸機能が衰え、死にひんした状態にある」と発表するなど、情報が錯綜している。

 劉氏をめぐっては、即時釈放と国外での治療を求める欧米諸国に対し、中国は「内政干渉だ」と強く反発している。

 中国当局は、劉氏の家族と外部との接触を厳しく制限し、メディアの取材も規制している。

 NNN横田明記者「こちらが劉暁波氏が治療を受ける瀋陽の病院です。病院の周りには海外メディアの取材を嫌がってか、多くの私服警察官が配置されている。今カメラを向けることはできませんが、私の周りにも十数人の警察官が集まり、撮影の様子を監視しています」

 カメラを病院側に向けただけで、公安関係者に撮影を止められた。当局がこうした対応をとる背景には、自らに有利な情報が流れるようコントロールしたい中国側の思惑が透けて見える。