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G20閉幕 首脳宣言で米の孤立浮き彫りに

2017年7月9日 6:31

 ドイツで開かれていたG20首脳会議が8日に閉幕した。採択された首脳宣言は温暖化対策や貿易政策でアメリカの立場だけ異なることが浮き彫りとなる異例の内容となった。

 首脳会議の焦点は温暖化対策をめぐり、パリ協定からの離脱を表明したアメリカのトランプ大統領を巻き込めるかどうかだったが、採択されたの首脳宣言は「アメリカ以外のG20各国はパリ協定を後戻りさせない」と明記。全員一致が原則の首脳宣言にわざわざ一致していないことを書き込むという異例の内容になった。

 また、もうひとつの焦点だった貿易政策をめぐっては、「保護主義と闘い続ける」との文言が盛り込まれた一方で、不公正な貿易慣行に対しては対抗措置をとることを容認し、トランプ大統領に配慮している。

 ドイツ・メルケル首相「(温暖化対策では)全ての国がアメリカに反対した。貿易問題もアメリカの姿勢により非常に厳しい議論になった」

 一方、日米韓の首脳会談の場で「国際社会の最優先問題」とまで表現されていた北朝鮮問題は結局、首脳宣言には盛り込まれなかった。また、再来年のG20首脳会議が日本で開催されることも発表された。

 アメリカ第一主義を崩さないトランプ大統領に振り回された各国の首脳。首脳宣言のとりまとめに苦心したメルケル首相の姿は今の国際社会の縮図と言える。