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G20閉幕 地球温暖化対策、米国が孤立

2017年7月9日 1:01

 ドイツで開かれていたG20首脳会議は8日、首脳宣言を採択して閉幕した。地球温暖化対策では、アメリカとそれ以外の国の立場を併記するなど、アメリカの孤立が際立つ異例の内容となった。

 首脳宣言からは、「アメリカ第一主義」を掲げるトランプ大統領に各国が翻弄(ほんろう)された様子が見て取れる。

 貿易政策については、「保護主義と闘い続ける」との文言が盛り込まれる一方、トランプ大統領に配慮し、不公正な貿易慣行に対しては対抗措置をとることが容認された。

 最大の焦点だった地球温暖化対策については、アメリカの「パリ協定」からの離脱表明について批判はせず、「留意する」と明記。残りの19か国で「後戻りしない」ことを確認するという異例の声明となった。アメリカの孤立ぶりが際立っている。

 ドイツ・メルケル首相「(アメリカ以外の)各国首脳は、パリ協定の迅速な実施が必要だと一致した」

 また、北朝鮮への対応については一切触れられなかったほか、2019年は日本で開催することが明記された。

 一方、会議終了後には2度目となる米中首脳会談が行われた。北朝鮮問題についてトランプ大統領は、「何か行動をしなくてはいけない」と述べ、圧力を強めるよう強く求めたとみられるが、習主席は、「両国の間には敏感な問題が存在する」と述べ、慎重な姿勢を崩さなかったものとみられる。