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ドゥテルテ政権が発足1年 戦闘解決に課題

2017年6月30日 23:06

 フィリピンのドゥテルテ大統領が率いる政権が発足してから30日で1年。国民からは高い支持を得ている一方、南部ミンダナオ島での過激派組織「イスラム国」に忠誠を誓う武装組織との戦闘は終結できない状態が続いている。

 ドゥテルテ大統領は去年の就任以降、日本や中国から経済支援を取りつけた積極的な外交や汚職撲滅などが評価され、今年3月に実施された世論調査では78%が支持するなど高い支持率を維持している。

 麻薬犯罪の撲滅作戦などでは多くの死者を出し、批判を受けているが、ドゥテルテ大統領は強気な発言を繰り返している。

 しかし、先月から始まったミンダナオ島での「イスラム国」に忠誠を誓う武装組織との戦闘では市街地を空爆し、市民に「申し訳ない」と謝罪する場面もあった。ドゥテルテ大統領は戒厳令を出して対応にあたっているが、多くの市民を犠牲にしながらも武装組織は市街地の一部を占拠したままで、戦闘はこう着状態が続いている。

 大統領自身が最重要課題とする治安にも直結する問題なだけにこれ以上の戦闘の長期化は今後の政権運営にも影響を与えかねず、早期の解決が求められている。